正常な背骨はS字カーブを描いている

よく背骨の矯正や整体という言葉を耳にします。

では、正常な背骨はどのような形になっているでしょうか？

 

真ん中のイラストのようにS字カーブを描いているのが正常な状態です。

 

これは、重力の影響を受けても体に負担がかからないようにするためです。

 

家の大黒柱は、家の中心にあります。

 

体の大黒柱である背骨は家のように体の中心に存在することができません。

 

内臓を避けて体の後方に位置します。

 

背骨を適度なS字カーブに保つことによって重力の影響を各部位に逃がし、全身の筋肉を使って受け止めています。

この穏やかなカーブが、成人で5ｋｇもあると言われている重い頭を支えるためのサスペションの役割をしているわけです。

 

このカーブが維持されていれば、背骨は頭の中心に来るように位置しているため、重力による負荷からも逃れられ、神経圧迫からのリスクからも逃れられます。

 

ところが、このS字カーブが加齢や何らかの原因で猫背や反り腰になり背骨が歪むと、それだけサスペンションの役割が弱くなります。

 

背骨のS字カーブに対する重力のの負荷が大きくなり過ぎると、体は無意識にそれを補おうとして、今度は全身の筋肉を使って何とか背骨を支えようとします。

 

その結果、首や肩、腰に無理な負担がかかり筋肉が疲労して硬直化し、やがて炎症を起こして慢性的な痛みを発するようになります。

 

頭痛や首肩のこり、慢性的な腰痛などは、背骨のゆがみをこれ以上ひどくならないように頑張って支えている筋肉の過労が原因であることが大いにあります。